主応力計算機

2次元応力状態における最大・最小主応力と最大せん断応力を算出します。

最大主応力 (σ1)
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最小主応力 (σ2)
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最大せん断応力 (τmax)
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主応力の角度 (θp)
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主応力とモールの応力円:材料強度設計の核心

機械部品や建築構造物が外力を受けたとき、その内部には「応力(Stress)」が発生します。しかし、応力の値は「どの断面で切るか」によって変化します。ある角度では垂直応力が最大になり、別の角度ではせん断応力が最大になります。設計者にとって最も重要なのは、「最も過酷な応力状態」を知ることです。

このページでは、複雑な応力状態を整理し、材料が破壊するかどうかを判定するための鍵となる概念「主応力(Principal Stress)」と、それを視覚的に理解するためのツール「モールの応力円(Mohr's Circle)」について、数式だけでなく直感的なイメージも含めて解説します。

1. 応力変換と主応力の定義

物体内部のある点において、x軸、y軸方向に垂直応力 \(\sigma_x, \sigma_y\) が、そしてせん断応力 \(\tau_{xy}\) が作用している「平面応力状態」を考えます。この要素を角度 \(\theta\) だけ回転させた新しい座標系では、応力成分の値が変化します。

このとき、ある特定の角度 \(\theta_p\) において、せん断応力が完全にゼロになり、垂直応力が極大(または極小)になる状態が存在します。この特別な垂直応力のことを「主応力」と呼びます。

2. 計算式の導出と意味

応力変換の公式を利用して、せん断応力 \(\tau_{x'y'}\) が0になる条件を求めると、以下の主応力の式が得られます。

主応力の公式

\(\sigma_{1,2} = \frac{\sigma_x + \sigma_y}{2} \pm \sqrt{\left(\frac{\sigma_x - \sigma_y}{2}\right)^2 + \tau_{xy}^2}\)

この式の構造をよく見ると、前半の項 \(\frac{\sigma_x + \sigma_y}{2}\) は「平均垂直応力(応力円の中心)」を、後半のルートの中身 \(\sqrt{\dots}\) は「最大せん断応力(応力円の半径)」を表していることがわかります。

3. モールの応力円による可視化

ドイツの工学者オットー・モールが考案した「モールの応力円」は、応力状態をグラフィカルに表現する強力なツールです。

応力状態 \((\sigma_x, \tau_{xy})\) と \((\sigma_y, -\tau_{xy})\) をプロットし、それを直径とする円を描くと、円周上の点が「あらゆる角度における応力状態」を表します。
この円が横軸(\(\sigma\)軸)と交わる2つの点が、まさに主応力 \(\sigma_1, \sigma_2\) です。このとき縦軸の値(せん断応力)が0になっていることが視覚的にも確認できます。

4. 最大せん断応力 (\(\tau_{max}\))

主応力の面から45度回転した面では、せん断応力が最大となります。これを最大せん断応力と呼びます。

\(\tau_{max} = \frac{\sigma_1 - \sigma_2}{2}\)

これはモールの応力円の「半径」そのものです。延性材料の降伏は、この最大せん断応力に支配されることが多いです。

5. 強度設計への応用:なぜ主応力を計算するのか?

単純引張試験で得られる「降伏応力」や「引張強さ」は、あくまで一軸方向の強度です。実際の部品は多軸的な応力を受けます。そこで、複雑な応力状態を「主応力」などに換算して、材料の基準強度と比較する必要があります。

(1) 最大主応力説 (ランキン説)

「最大主応力 \(\sigma_1\) が、材料の引張強さに達したときに破壊する」という考え方です。
適用対象: 鋳鉄、ガラス、コンクリートなどの脆性材料。これらは引張に対して弱く、せん断変形せずにポッキリと折れるように壊れるためです。

(2) 最大せん断応力説 (トレスカ説)

「最大せん断応力 \(\tau_{max}\) が、ある限界値に達したときに降伏する」という考え方です。
適用対象: 軟鋼、アルミニウムなどの延性材料。これらは原子面が滑ることによって変形(降伏)するため、せん断応力が重要になります。

(3) フォン・ミーゼス応力説 (せん断ひずみエネルギー説)

主応力を組み合わせて計算される「等価応力(フォン・ミーゼス応力)」を用いる方法です。実験結果との適合性が良く、現代の有限要素法(FEM)解析などで最も一般的に使われています。

まとめ

設計者は、部品にかかる \(\sigma_x, \sigma_y, \tau_{xy}\) を知っているだけでは不十分です。この計算機を使って主応力 \(\sigma_1, \sigma_2\) を求め、それらが材料の許容応力を超えていないかを確認することで、初めて安全な構造物を設計することができるのです。